外国の年金制度とは その2

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外国の年金制度とは その2

外国の年金制度として、「外国の年金制度とは その1」ではアメリカ合衆国について説明しました。

今回は、ヨーロッパの主要国の年金制度について述べていきます。

【イギリス】
イギリスの「公的年金」は、「基礎年金」と「国家第二年金(S2P)」の二階建てとなっています。

基礎年金は、全国民共通の定額給付となっています。
国家第二年金は、被用者を対象とした所得比例の年金です。

老齢年金の支給開始年齢は、男子が65歳・女子60歳となっていますが、2020年までに女子も65歳となる予定です。

公的年金の財源は、国庫負担なしの社会保険方式となっています。

また、イギリスには「職域年金」という制度があります。

職域年金は、民間の被用者を対象とする「企業年金」や、公務員を対象とする「公務員年金」を指します。

職域年金の種類として、民間部門は「確定給付型年金」と「確定拠出型年金」があります。
現在のところ「確定拠出型」が普及しています。
職域年金の公的部門は、「確定給付型年金」のみとなっています。

「職域年金」が「国家第二年金」より多額な場合は、「国家第二年金」に加入する必要はありません。

この場合、一定の要件を満たす職域年金・個人年金・ステークホルダー年金の加入者については、「適用除外制度」により国家第二年金の適用が除外され、保険料が一部免除されます。

※ステークホルダー年金とは
全国民を対象とした年金で、事務コスト軽減することにより、保険料を低く抑えた確定拠出型個人年金のこと。

公的年金以外の年金の支給開始年齢は、ほとんどが男子65歳・女子60歳となっています。

さらに、職域年金を上乗せするために「付加任意拠出制度(AVC)」という制度も利用されています。

【ドイツ】
ドイツの「公的年金」は、職域別に分立しており、一階建てになっています。

主な公的年金制度として「一般年金保険」があります。
対象者は、被用者の中のホワイトカラーやブルーカラーの職業の人たちです。

また、鉱山労働者のための「鉱山労働者年金保険」、公務員のための「公務員年金制度」、自営業者については職業別に分かれた年金制度があります。

老齢年金の支給開始年齢は、65歳となっています。

公的年金の財源は、国庫負担ありの社会保険方式となっています。

ドイツの「企業年金」「個人年金」は「公的年金」に上乗せされ、基本的に3本立てで加入することが定着しています。

企業年金は「老齢企業年金改革法」により、果たすべき最低条件が定められています。

企業年金は「確定給付型年金」と「確定拠出型年金」があり、大企業では「確定給付型」の採用が多数を占めています。

年金の支給開始年齢は、男子65歳・女子60歳となっています。