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老齢基礎年金の一部繰上げの対象者とは
老齢基礎年金の「一部繰上げ」は、対象者が限定されています。
一部繰上げは、昭和16年4月2日から昭和24年4月1日生まれの男性・昭和21年4月2日から昭和29年4月1日生まれの女性のみに限られています。
以下に、その理由を記述します。
現在、法律上の定年は60歳となっています。
企業は、定年後に「再雇用制度」などを導入し、段階的に定年の上限年齢を引き上げるように義務づけられています。
再雇用制度とは、会社が以下の3つの項目のいずれかを選択・導入し、63歳まで雇用を延長する制度のことです。
- 定年年齢の引き上げ
- 継続雇用制度(再雇用制度含む)
- 定年の定めの廃止
上記の選択肢は、労使協定で対象者を選定することが可能です。
しかし、再雇用制度を実施したとしても、60歳代前半で離職した場合、「定額部分」が支給されるまでは、「報酬比例部分」だけの支給となり、この期間の収入が減少することになります。
「全部繰り上げ」制度のみだと、繰上げ請求をしたとしても「定額部分」を全額受け取れなくなります。
したがって、昭和16年4月2日から昭和24年4月1日生まれの男性・昭和21年4月2日から昭和29年4月1日生まれの女性にとって、「全部繰り上げ」は得ではないという認識があり、活用されることが少なかったのです。
そこで、該当する年代の人が、できるだけ損の少ない方法で繰上げ支給を行うために作られたのが、老齢基礎年金の「一部繰り上げ」制度です。
「一部繰上げ」制度は、老齢基礎年金の支給が60歳から65歳へ引き上げられ、その間に該当する人の老後生活における収入を確保する上で、現在だけの特例といえる制度なのです。