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老齢基礎年金の全部繰上げの損得とは
老齢基礎年金には、65歳よりも早めに給付を受ける制度として「繰り上げ支給」があります。
それでは、年金は早めに支給された方が得なのでしょうか?
繰上げ支給では、受け取る年金額は65歳から受け取る金額よりも少なくなります。
また、減額された老齢基礎年金の金額は、その後一生涯続きます。
結論として、どちらが得か損かは、その人の寿命次第でわからないと言えます。
年金受取累計額で考えると、最初のうちは早めに年金を給付されている「繰上げ支給」の人が、たくさん受け取っていることになります。
しかし、年数が増加するにつれて本来の年金額を支給されている人の累計額が追い付いてきます。
それでは「繰上げ支給(全部繰り上げ)」の年金額は、65歳から支給される通常通りの年金額に、何歳で年金受取累計額が追い越されるのでしょうか?
答えは、繰り上げをしてから「16年8ヶ月」で追い越されます。
計算をすると、
〔100%÷0.5%=200月=16年8ヶ月〕
となるからです。
※少子高齢化の進行や物価上昇の影響は加味していない
したがって、繰上げ支給(全部繰り上げ)を請求し、その支給開始年齢から約17年が、年金受取累計額の損益分岐点となります。
以下に、損益分岐点となる年齢を記述します。
- 60歳から支給・・・76歳
- 61歳から支給・・・77歳
- 62歳から支給・・・78歳
- 63歳から支給・・・79歳
- 64歳から支給・・・80歳
この年齢よりも寿命が短ければ、年金受取累計額は繰上げ支給の方が有利となります。
この年齢よりも寿命が長ければ、65歳から通常の年金額を支給された方が有利となります。
ちなみに、厚生労働省発表の「平成18年度簡易生命表」によると、0歳からの平均寿命は「男性 79.00歳」「女性 85.81歳」となっています。
「繰り上げ支給」はよく考えて選択することが重要です。