社会保障協定とは
世界経済がグローバル化する現代、日本企業は海外へと経営拠点を移動させています。
経済活動が国際化している今日では、会社の海外支店に派遣されたり、駐在員となったりする日本人が増加しています。
外国に居住する日本人の年金は、どうなっているのでしょうか?
外国に滞在するようになると、日本と外国の年金制度をはじめ、両方の国の社会保険制度に加入することになります。
もちろん、両国の保険料を負担することになり「社会保険の二重加入」という問題が発生します。
さらに年金の面からいうと、外国に居住している期間が短期の場合は、「年金受給権」を得ることがないまま日本に帰国しなければならない、という「保険料掛け捨て」という問題も発生します。
このような問題を解消するべく、日本と外国との間で「社会保障協定」を締結しています。
社会保障協定を締結している国とは、どちらか一方の国の社会保障制度のみ加入することになるため、「二重加入」という問題を防止することができます。
両方の国の年金に加入していた場合は、両国の年金加入期間を通算して年金を受給できるような仕組みになっています。
日本が社会保障協定を締結している国に派遣された場合、その国の制度のみに加入することが原則となっています。
また、5年以内の一時的派遣の場合は、日本の制度のみに加入することになります。
日本が社会保障協定を締結している外国は、以下の通りです。
●ドイツ
二重加入防止対象制度・・・年金
通算措置・・・あり
●イギリス
二重加入防止対象制度・・・年金
通算措置・・・なし
●韓国
二重加入防止対象制度・・・年金
通算措置・・・なし
●アメリカ
二重加入防止対象制度・・・年金、医療保険
通算措置・・・あり
●ベルギー
二重加入防止対象制度・・・年金、医療保険など
通算措置・・・あり
●フランス
二重加入防止対象制度・・・年金、医療保険など
通算措置・・・あり
●カナダ
二重加入防止対象制度・・・年金
通算措置・・・あり
●オーストラリア・オランダ・チェコ
署名済(準備中)
●スペイン・イタリア
交渉中
●アイルランド・ハンガリー
交渉準備中