エリサ法とは

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エリサ法とは

エリサ法とは、アメリカの「従業員退職所得保障法」と呼ばれる企業年金法のことです。

 

アメリカでは、1940年代の終わりから1950年代はじめにかけて、「ペンション・ドライブ」という企業年金の設立ブームが起こりました。

 

1960年代までは米国株式市場が好況であったため、企業年金の資産は順調に増加していました。

 

さらに1960年代の終わりには、運用シェアを独占していた銀行や生命保険会社の他に、投資顧問会社なども年金の積立金運用業務に参加するようになり、年金資金の運用競争は過熱していきました。

 

しかし、1970年代はじめの「オイルショック」を起因とする株価の暴落により、多くの企業年金の財政が悪化し、積立金不足に陥りました。

 

当時のアメリカは「内国歳入法」という企業年金制度を規定した法律がありましたが、税制適格の企業年金要件は定めていたものの、年金財政の健全化に対する義務については規定していませんでした。

 

年金制度の不備による失敗から教訓を学んだアメリカは、1974年に「エリサ法」を制定しました。

 

エリサ法は、企業年金の加入者および受給者の年金に対する「受給権の保護」を目的とした法律です。

 

エリサ法の内容については、以下の通りです。

 

情報の開示義務
加入者資格と受給権付与についての新基準の設定

最低積立基準の設定
受託者責任の明確化

制度終了保険(PBGC)の創設など

 

エリサ法はアメリカにおいて、すべての企業年金に対して包括的に規定する「企業年金の基本法」となっています。